日米の老後 2019 4 21

書名 人生100年時代の正しい資産づくり
著者 岩崎 日出俊  祥伝社新書

 60歳まで一生懸命働いて、定年退職。
退職金を得て、悠々自適な生活。
海外旅行に国内旅行。
グルメにゴルフ。
これが、かつての黄金のライフプランだった。
 ところが、人生100年時代になると、どうなるか。
途中で、退職金も貯金も尽きてしまうのではないか。
だから、日々、節約して、細々と100歳まで生きる。
 こんなはずではなかった。
現役時代に夢見ていた老後は、やはり夢だったのか。
 これが、日本の高齢者の悩みであり、
これから定年を迎える世代の不安でもあるのです。
 しかし、アメリカ人の高齢者から見れば、
「なぜ、資産運用しなかったのか。
確かに、貯金だけでは、途中で資金が尽きてしまう心配がある」
 著者によると、アメリカでは、現役の時から、
給料の一定額を「401k」(確定拠出個人年金制度)で積み立てていくという。
 ここで、積み立てていくものは、
貯金ではなく、「インデックス投信」のことです。
インデックス投信とは、ダウ平均株価のような株価指数に連動する投資信託のことです。
 ダウ平均株価の30年は、ひたすら右肩上がりとなっています。
数倍どころの話ではなく、もっと大きな上昇となっています。
 だから、日本人も、アメリカ人のように、
日経平均株価に連動するインデックス投信を積み立てていればよかったのか。
 実は、この20年間、日経平均株価は、
上下はあったにせよ、横ばい状態でした。
 では、30年前は、どうだったのか。
よく言われるのは、平成の30年間は、バブル崩壊から始まったと言われます。
 著者によれば、日本人も、
ダウ平均株価のインデックス投信を積み立てたほうが正解だったという。
そして、これからも、そうかもしれないという。
 さて、アメリカ人から見れば、
日本人は、リスクを取りすぎているか、
全くリスクを取っていないかの両極端であるという。
 インデックス投信を買わずに、
いきなり、個別株や仮想通貨で一攫千金を狙う日本人もいれば、
貯金だけの日本人もいる。
 確かに、個別株で株価が10倍になる場合があるが、
それは、たまたま運がよかったからであり、
普通のアメリカ人は、そんなハイリスクなことはしないという。
 有望な銘柄を探すというが、それは、「金鉱探し」のようなものであり、
金鉱を探す人たちは、「山師」が多い。
 別の日本人は、「いや、分散投資をして、リスクを回避している」と言うが、
「10銘柄程度では分散投資にはならない。
分析データからすれば、分散投資が有効なのは、50銘柄以上という。
しかし、個人は、50銘柄も管理できない」と言われている。
 また、アメリカ人は、こうも言う。
日本人は、時間でもリスクを取りすぎていると。
退職金が入って、全額をインデックス投信につぎ込んだら、
時間的なリスクが高いという。
買った翌日から、株価指数が下がり始めたら、どうするのか。
 アメリカの資産運用の教科書では、時間分散も考えるべきだと書いてある。
つまり、いっぺんに投資をしないで、
毎月、一定額を投資していくという「時間分散投資」が必要である。
つまり、「ドルコスト平均法」だという。
 日本において、金融教育が不足したため、
日本人は、リスクを取りすぎているか、
全くリスクを取っていないかの両極端になったのかもしれません。






















































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